
「タロットとオラクルカードの違いがわからない!」
「タロットってたくさん種類があるの?」
「種類が違ったら結果も変わってしまうの?」
「私の悩みはオラクルカードでも答えが出るの?」
占いを受けてみたいけれど、こんな疑問があるために、どの占い師さんにお願いをして良いかわからない。という方はとても多くいると思います。
タロットとオラクルの違いが、結果にどう関係するのかはとっても気になる事だと思いますし、知っていると占い師さんを選ぶときの参考や安心材料になりますよね。占いを安心して楽しめるように、この記事ではタロットとオラクルカードの違いを基礎から徹底解説します。
■タロットとオラクルカード、鑑定結果は異なるの?

まずは、皆さんが気になるであろう、この質問について答えます。タロットカードやオラクルカードのように道具を使い、偶然出てきたメッセージや答えから結果を導きだす占いを「卜占」や「卜術」と呼びます。
この卜占は、相談者さんの情報(誕生日や手相など)を使わずに、質問したその時に出てきた数字や象徴の意味を、それぞれ占い師の人が解釈をして結果を導きます。この時占い師さんは様々な知識、強いインスピレーションや直感を働かせて結果を導いています。
ですから、もしも占い結果が変化するような場合は、使うカードによって結果が変わったのでは無く、質問するタイミングと占う占い師さんによって変化している可能性が高いでしょう。
質問する日付が変われば、時が変化していますから、占いの結果にも変化が生じます。また占い師さんが違う人になれば解釈の幅や結果の伝え方により多少の変化があるでしょう。
つまり、占いにタロットカードを使っているか、オラクルカードを使っているかによって結果が必ず変わるという事では無いのです。
そして占いの結果は、色々と占う条件が違う場合であっても、その時出た結果はその時のあなたに必要なメッセージであるという事を是非覚えておいてください。
なので、占い師さんが占う時にタロットを使っているのか、オラクルカードを使っているのかは、占いを受ける際に強くこだわる必要はないでしょう。もしも希望があれば、占い師さんにお伝えすれば良いのです。
と、ここまでこだわる必要は無いとお伝えして来ましたが、とはいえタロットカードとオラクルカードの違いが結果に一切影響しないかといえば、実はそれも言い切れ無いのです。それはカードの性質や性格のようなものが関係しています。
では、それぞれのカードがどのようなものなのか。
まずは占いの定番であるタロットカードとはどんなものなのかについて、詳しくお伝えいたします。これを知っていると、占い師さんの使っているタロットを見るのが楽しくなりますよ。
■完全解説!タロットの基礎知識
「タロットの歴史」
まずはタロットの基礎を知るために、歴史からお伝えします。タロットの元になっているといわれているカードは、元々はゲームをするためのカードとして誕生しています。
名前をマムルークカードといい、このマムルークカードは14世紀の頃に中東で人気だったのだそうです。
そこからスペインを経由しヨーロッパへ伝わり、15世紀初頭に北イタリアでマムルークカードからアイディアを受けトリオンフィというゲーム専用のカードが作られます。
このカードは今のタロットの構成にとてもよく似たカードで、4つのスート(記号)に加えて、ゲームの切り札となるカード(後の大アルカナ)を加えたデッキです。(とはいえタロットとは別物)
ちなみにタロットという名前はイタリア語の「タロッキ」という、カードを意味する言葉から誕生しているとも言われています。
このタロットの元となるカードは、イタリアからフランスのマルセイユへ渡っていきます。この、マルセイユこそ、今正に私たちが使っているタロットのスタート地点となる場所です。
マルセイユでカード生産が盛んに行われるようになり、今でもこの時に作られていた構成のデッキは「マルセイユ版タロット」として人々に親しまれています。では、その構成とはどのようなものなのでしょうか?
「タロットデッキの構成」

タロットカードは合計、78枚のカードで1デッキとなっています。
大アルカナ 22枚
小アルカナ 56枚
で構成されています。
それぞれのカードに対応する占星術での惑星や、エレメント、数秘があり、絵柄に関連づけられた象徴や意味が存在しています。占いをするときは、このカードの絵柄や意味、そして関連付けられた情報を元に、占い師さんが様々な観点から結果を導くのです。
最初は難しく感じますが、タロットの数字を順を追って見ていくと、流れるような物語や展開があり、共感できる部分も多くあるでしょう。
「大アルカナとは」

大アルカナが誕生したのは、小アルカナ(数札)よりも後のことです。象徴的な人物や情景が描かれたカードが、大アルカナ。
カードがまだトリオンフィ(凱旋、勝利)と呼ばれていた時に、数札とは別に加えられたもので、人生のステージを上がって行く際に辿る道や経験する学びを示しているといわれています。
22枚で構成されているので、タロットカードのビギナーさんはこの大アルカナのリーディングからスタートする事が多いでしょう。ですがビギナーさんだけではなく、長年タロットリーディングをされている先生の中にも大アルカナのみで占いをされる方もいらっしゃいます。
大アルカナのカードには、それほど人生の要素がぎゅっと詰まっていると言えるでしょう。
「小アルカナとは」

小アルカナとは、スート(ワンド、カップ、ソード、ペンタクル)と呼ばれる4種類の記号のカードで、トランプと構成が似ています。それぞれ、
数札(ヌーメラルカード)10枚×4種類
人物札(コートカード)4枚×4種類
で構成されています。
各スートには四大元素(火、水、風、地)が対応していて、更には季節や時間の経過等も割り当てられています。もちろん大アルカナ同様に、各カード惑星や数秘にも対応しています。
スート毎に物語やテーマがあるため、小アルカナによって、より深い緻密なリーディングが可能になるのです。
絵柄も読み込んでいくと奥が深いので、小アルカナのリーディングによってタロットにハマっていく人が多いようです。
「タロットの種類が多くて、理解が難しい!!」
タロットと一概に言ってもいくつもの種類があり、占い師さんによって使っている絵柄も違っていて、それこそ何が違うんだろうという疑問を持たれる方も多いと思います。
現在多くの占い師さん達が使っているタロットデッキには、大まかに分けて3種類のタイプのデッキが存在しています。それぞれカンタンに紹介します。
★マルセイユ版 タロット
先程ご紹介したタロットデッキ。このカードが元々タロットの標準として定着していました。長年リーディングをされている先生たちには人気のタロットです。
構成
22枚の切り札(大アルカナ)
40枚の数札と16枚のコートカード(小アルカナ)
現在主流のタイプとの違いは、一部の切り札(大アルカナ)の順番や呼び方。
〇8番 正義
〇11番 力
(現代主流のカードではこの2つが逆になっている)
〇愚者については番号がなく、魔術師に関してはお調子者を意味する「ル・バトゥル」と呼ばれていた。
〇2番 女教皇
〇5番 教皇
〇16番 神の家
〇13番 名前の無い切り札「ラッキャン・ソン・ヌン」と呼ばれていた。
コートカード
キング・クイーン・ナイト・ペイジ
数札(ヌーメラルカード)
人物の絵柄では無く、スートの象徴がその数だけ書かれている。
★ライダー・ウェイト=スミス版 タロット
1909年にライダー社から発売されたタロットで、現在最もポピュラーなデッキ。アーサー・エドワードウェイト考案、パメラ・コールマン・スミス作画。タロットをはじめたい人にはおススメの基本デッキで、解説書も多く発売されているので覚えやすいデッキでもあります。
現在ではこのタロットの構成を元に様々なイラストのタロットが発売されているので、このタロットはマストアイテムといえるようなタロットです。
構成
大アルカナ22枚
小アルカナ56枚
〇0番 愚者
〇1番 魔術師
〇3番 女帝
〇5番 司祭
〇8番 力
〇11番 正義
〇13番 死神
〇16番 塔
とマルセイユ版とは少し違う順番や呼び名となっている。
現在様々なイラストやテーマで作られているタロットの殆どの基本構成はこのウェイト=スミス版が基準。
コートカード
キング、クイーン、ナイト、ペイジ
数札(ヌーメラルカード)
スートの柄だけでなく、物語の一部を切り取ったような人物の絵柄が描かれている。
★クロウリー=ハリス・トート版タロット
イギリスの神秘主義者アレイスター・クロウリーが考案したタロット。作画をフリーダ・ハリスが担当。印象深い絵柄が特徴で、内容も、哲学、神話、神秘主義、魔術儀式などの研究を統合した解釈になっています。結果に関しても割りとストレートに真髄を突いてくるような雰囲気があります。
少し上級者向けのタロットといえるでしょう。
構成
アテュ(大アルカナ)22枚
スモールカード(小アルカナ)56枚
〇8番 正義⇒調整
〇10番 運命の輪⇒運命
〇11番 力⇒欲望
〇14番 節制⇒技
〇20番 審判⇒永劫
〇21番 世界⇒宇宙
コートカード
ナイト、クイーン、プリンス、プリンセス
数札(ヌーメラルカード)
スートが、ワンド、カップ、ソード、ディスク
___________________
以上のこの3種類が代表的なタロットデッキとなっています。現代では有名なイラストレーターさんが描いたタロットや、花をテーマにしたタロット、神話をテーマにしたタロットなど、様々なタロットも発売されています。
基本的に構成はウェイト=スミス版を基準にしているものが多く、自分の感覚的に心地良い絵柄を選ぶことが可能になっています。またこうした構成に則っていないタロットも最近では多く発売されています。
名前はタロットという名前であっても、中身がオラクルカードである場合もあるので、もしもご自身で購入される場合は、ご注意ください。
■タロットは心の真実を映し出す
こうしてタロットの基本的な知識を細かく見ていくと、タロットカードには無限の可能性があることがわかります。誰かを占い、結果を導く事も勿論ですが、自分の心と向き合う為にも欠かせないアイテムと言えるでしょう。
カードに特定の細かなキーワードや解釈が存在しているので、より深いリーディングか可能です。そして神秘と現実の融合が強いので、思いがけず心の奥底が露わになってしまうのも確かです。タロットカードは嘘をつきませんし、誤魔化すことも無く結果を伝えてくれるものです。
心の奥の真実を知りたいときにはタロットが活躍してくれます。
■大人気オラクルカードの世界

では次に、オラクルカードとは、いったいどのようなものなのでしょうか?上記に記載したタロットと呼ばれるカード以外に、占いで使用されるカードは、基本的には全て「オラクルカード」と呼ばれています。
タロットのルールや構成の縛りを無くした「神託」「叡智」のカードといえるでしょう。書物占い(ビブリオマンシー)のように、その時に必要なメッセージ(神託)を、偶然選んだ中から受け取るというタイプのカードで、基本的に使い方はタロットと同じです。
タロットとオラクルカードの大きな違いは、上記でご紹介した、構成の細かな決まりが無いことですが、占いを受ける側の人にとっては更に重大なタロットとの違いがあります。
それは「メッセージの性質」
良し悪しの話ではなく、雰囲気がタロットとは違うものが多いということです。
一番最初に「占いの結果にカードの性質や性格のようなものが関係する。」とお伝えしましたが、オラクルカードにはそれぞれ「天使」や「天然石」「動物」などの様々なテーマや象徴、世界観があり、そのテーマや世界の思想やイメージを基準にメッセージが作られています。
つまり多くのオラクルカードが最初からとても前向きで強い励ましの内容となっているのです。
全てではありませんが、ヒーリングに向いているカードが多いでしょう。
ですので、占いの結果がタロットと同じ意味であっても、オラクルカードの場合は戒めではなく、励ましや前向きな要素が強くなるのです。
そして注目すべき点は、ビジュアルです。
オラクルカードは象徴や意味も重要ですが、カードのビジュアルによって得るインスピレーションもかなり重要なポイントなのです。そのため、鮮やかなカードがとても多く、視覚からも大きな癒しを得ることができるでしょう。
癒しや前向きなメッセージを必要としている時、落ち込んだり悩んだりしている時にオラクルカードは大きな力を発揮してくれます。
「タロットとオラクルカードの違い」
上記でご紹介したように、オラクルカードにはタロットのように、共通のデッキ構成やカードの意味、という決まったルールがありません。テーマや世界観、そして使い方もそのデッキごとに千差万別なのです。
こうしてデッキごとにテーマがあるので、向いているジャンルがハッキリわかりやすいのも特徴です。恋愛には、恋愛の為のオラクルカード。お金に関しては、豊かさに関するオラクルカード。
等々、こうしたテーマが絞られたオラクルカードを使用すると、誰でもわかりやすく、そして深く大事なメッセージに辿り着くことができるでしょう。
また占いを選ぶときには特に関係はありませんが、「大きさ」も大きな違いのひとつでしょう。
全てのオラクルカードではありませんが、最近発売される多くのオラクルカードは、タロットのサイズよりも大きなサイズを採用しています。先ほどお伝えしたように、オラクルカードはビジュアルに大きなポイントが置かれているため、見て楽しめる大きなサイズになっているようです。
比較的タロットの場合は、枚数が多いのもあり、標準サイズよりもミニサイズが人気です。
ですが同じデッキでもサイズ違いを選べるタロットとは違い、オラクルカードはサイズ違いが無いという特徴があります。(そもそもデッキのサイズに規定がありません)
書店に行くと、10cm×13,5cmのボックスに入ったカードが多く見られるので、タロットと比べてみるとおもしろいかもしれません。
「大人気プチルノルマンカード」
タロットのように歴史のある、ルノルマンカードというオラクルカードが最近では大人気です。これもタロットのように、様々なイラストによってデッキが複製されていますが、基本的な構成やカードの意味は元々決まっていて、構成自体はとてもシンプルなカードです。
ですがとても奥が深く、周りのカードとのコンビネーションによって答えを導きだします。出てくる結果はとても具体的で、人との関係や時間に関することを得意とするカードです。
タロットが内側のエネルギーの流れや精神性を表現してくれるのに対して、ルノルマンカードは外側に起きる影響の部分を表現してくれます。
未来の可能性に関して具体的に知りたい時に、活躍してくれるカードでしょう。
まとめ
■違いはそれぞれ、選び方はあなたの直感
今までご紹介してきたように、タロットとオラクルカードの違いは、そもそもの成り立ちや構成、歴史の部分です。そのカードから得られる情報と、更に占い師の人がその時に得るインスピレーションやビジョンによって結果が導き出されるのはどちらも同じ。
カードの性質によって結果に多少の影響はあるかもしれませんが、それは正直占い師さんの選ぶ言葉によって変化する程度のものです。どのような言葉や表現であっても、カードから導き出された答えは、その時のあなたに必要な大事なメッセージです。
是非そのメッセージに身をゆだね、信じて進んでください。
そしてどの占い師さんにするか、どのメニューにするかを迷ってしまう時は、まずはあなたの直感を信じてください。最近では、占い師さんがよくSNS上でその日の運勢をタロットの画像とともに公開してることがあります。
こういった画像から、その占い師さんが使っているカードを知ることも出来ますので、自分が好きだなと感じるカードを使っている占い師さんに、鑑定をお願いするのも良いでしょう。
あなたが感じる「良い方」こそ、あなたを導いてくれるはずです。
この記事を書いた人
Ayura*
占い師・ライター・絵描き
主な活動は占いに関する記事の執筆。鑑定は西洋占星術、タロット、ルーンを使った、希望や可能性を逃さない細密な鑑定スタイル。
Twitter https://twitter.com/Ayura_09130713